対談
Interview
この記事では、BtoB向けの広告運用の秘訣についてご紹介します。
【アナグラム株式会社 広告事業部マネージャー 二平燎平氏】
数多くの広告運用を手がける敏腕マネージャー。
前職では「The Model」の全工程に従事。
売上を伸ばすためのコンサルに定評がある。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です。
前回に引き続きアナグラムの二平さんに、BtoB向けの広告運用の秘訣についてお話を伺いたいと思います!
よろしくお願いします。
アナグラム株式会社 広告事業部マネージャー 二平燎平氏(以下:二平氏)
よろしくお願いします!
早速、優先順位みたいなところをお話ができればと思います。
二平氏
結論顕在層からやっていくというのが重要になります。
基本的には検索広告を中心にまずやりつつ、そのあと準顕在層とか潜在層を狙うには、SNSの特にMeta広告が重要になってきます。
……というところなので、検索広告とMeta広告から攻略をしていった方が良いかなと思っていますね。
二平氏
なんで検索とMeta広告がというところを1個1個説明させていただくと、検索広告が重要な理由が3つあります。
1つが利用率が高いみたいなといったところで、こちらはGoogleが発表しているデータなので、ちょっとポジショントークみたいなところはもしかしたらあるかなとは思うんですけども。
「結構検索でみんな情報収集するよね」みたいなので、僕も困ったら検索で情報収集するしみたいなところで、なにかしら調べて情報を集めていく、検索するということがBtoBでも結構多いのかなと。
実際に検索みんなしてるよねというところです。
次が結果が出やすいみたいなところで、たとえばCRM。
お客さんの情報をまとめるようなツールみたいなところを提供している場合だと「CRM導入」とか「CRM おすすめ」みたいな、CRMのツールを探している人のキーワードに対して広告を出すことができます。
いわゆる顕在化している情報収集をしている人に当てることができるので、CVというか結果が出やすいよねといったところです。
あと僕も本当にBtoB系の案件。
100社以上を支援させていただいた中で、いろんな媒体と比べたときに検索広告が一番後ろの数値、商談化だったりとか受注のパーセンテージが結構高いというケースが多いです。
いわゆるブランドワードみたいなところもあるんですが、それ以外の一般的なキーワードですね。
「CRM導入」みたいなキーワードでも、結構その後の数値が良いというケースがあるので、結構良いというかこの3つがあるので優先度高く検索広告はやっていきたいかなといったところです。
なのでGoogle広告から始めて、Yahoo!とかMicrosoft全部検索広告は早い段階で網羅をした方が良いかなといった印象です。
二平氏
あともう1つMetaに関してなんですけども、Metaは非常にターゲティングの精度が高いです。
おそらくGoogleに次ぐターゲティング精度というか、僕もいろんなBtoBの案件を支援していく中で検索広告の次にMeta広告を利用されている商材によってはMetaのほうが利用されているようなケースも非常に多いですし、実名制で情報を登録していますし。
特にな経営者向けの商材とかは結構ハマりますね。
メッセンジャーで皆さんやりとりされていたり、経営者の人たちが多いようなプラットフォームになっていることが多いので。
結構経営者向けの商材とかは相性が良いかなといったところと、あとは初心者でも成果が出しやすいというところもあります。
ターゲティングの精度が非常に高い形なので、ある程度ちゃんとしたクリエイティブさえ準備できれば、そこまで運用要素もあまりなく成果が出やすいといったところなので、初心者の方も結構やりやすいんじゃないかなといったところです。
あとは検索しないようなサービスもマッチしやすいです。
検索広告は検索されないとターゲティングができないんですけども、Metaは検索しなくてもターゲティングの精度が非常に高いので、ある程度狙っているような人に広告を出すことができます。
あとは新しいような商材とか、新規性のあるような商材とかだと検索数が少なかったりしますが、Meta広告であれば結構うまくアプローチができます。
これらの理由でMetaも力を入れた方が良いかなといったところではあるんですけども、基本的には顕在化されているような人たちを狙っていった方が良いので、検索広告とSNS広告だったらMetaを中心にやった方が良いかなといったところですかね。
徳田
前回のカテゴリーキーワードの検索数とターゲット数のマトリックスの図があったかなと思うんですけど、要はカテゴリーキーワードの検索数が多ければ検索でやった方が良いよねという感じですかね?
二平氏
そうですね。
そっちの優先度が高くなりますね。
徳田
そうでなければMetaも活用していきましょうというところの二段構えでいくという。
二平氏
そうですね。
逆にマトリックスの右下のような検索されないのだとSNSをちょっと優先度を上げてやった方が良いですし、ただ一定数ちょっとカテゴリーのキーワードの検索自体はされるので。
検索もやるしみたいなというところで、あくまでもセオリーみたいなので、具体でやると結構商材ごとに固有のいろんな状況があるので。
ちょっと変わったりとかするんですよね。
そこらへんはアレンジを効かせないと、結果が出ないなみたいなのとかはありますかね。
あくまで大枠の考え方となります!
基本的には検索とMetaをやってある程度これだけで結構リードは増やせるというか、十分結構ビジネスとして成り立つというケースが多くて。
二平氏
これ以上もっと増やすとなったときに、一応いろんな媒体があるので、いろんな媒体がある中でどういう優先順位で見極めた方が良いかなというところだと、上記画像の3つがあるかなといったところです。
そもそもBtoBターゲティングができるのかなみたいなというところですね。
BtoBターゲティングがないような媒体とかもあるので、たとえばMetaだと経営者向けのターゲティングもあったり、あとGoogleのデマンドジェネレーションというキャンペーンとかだと、そういった業種規模のターゲティングができたり。
LinkedInとかもそうですね。
結構BtoBのターゲティングができたりもします。
二平氏
あと2つ目のクリエイティブの情報量みたいなところでいくと、カルーセルみたいなところですかね。
あるいは動画だったりとか、結構情報量を多く付与できるような媒体は、BtoB結構優先度を上げた方が良いです。
なんでかというと、BtoBってちょっと難しい商材が多いと思うんですよ。一般の人が理解するためには。
なのである程度情報量を多く伝えないといけないから、こういったカルーセルだったり、動画だったりとかのフォーマットがあれば優先的に使った方が良いかなといったところですね。
二平氏
あとはターゲット数みたいなところでいくと、こういったガイアックスさんが出していたりとかするので。
ユーザー数が多ければそのぶんパイが広がっていくといったところにはなるので、優先度が上がってくるかなといったところです。
二平氏
一応僕の方でこんな形の表にしています。
基本的には検索とMetaをやって、ホワイトペーパーだったりとかセミナーの配信でのクリエイティブでの勝ちパターンと、インサイドセールスが整っていればMetaでの勝ちパターンをデマンドジェネレーションとかXとかLinkedInとか、YouTubeとかにも展開をして。
リードをスッと増やしていくといったところです。
基本的には検索とMetaである程度パターンを作ってから、広告の勝ちパターンと、インサイドセールスとかそのあとの受注までの勝ちパターンを作ってから、いろんな媒体に広げていくみたいな……といった形で優先度は考えられるかなといったところですね。
徳田
なるほど。
BtoBターゲットと情報量とユーザー数というところが結構鍵になっているんですね?
二平氏
そうですね。
となるとデマンドジェネレーションがGoogleのキャンペーン広告なんですけども。
Googleのユーザーなので、ターゲット数はとても多いですし、Xも最近4000万人ぐらい元々いるのかな。
最近ターゲティングの精度も上がってきたりとかするので、優先度は上がってくるというふうに考えます。媒体のところは。
二平氏
じゃあその媒体の考え方を元に、事業のフェーズとかによって媒体の優先度とかCVポイントの設計も変わってくるので。
立ち上げ期、中期、後期みたいなところで、お話ができれば思います。
二平氏
立ち上げ期に関しては、CVポイントもシンプルにして広告の媒体もシンプルにした方が良いかなと思っていて。
商材にも結構よるんですけども、なんでシンプルにした方が良いかというと、プロダクトを立ち上げて営業体制とかマーケティングの体制もそんなに潤沢に整っていないフェーズで。
今すぐ客じゃないホワイトペーパーとか、セミナーばっかやってたくさんリードが来ても正直対応しきれないんですよね。
インサイドセールスも本当に人数が少ないといったフェーズになると思います。
二平氏
なので、すぐ商談に結びつきやすいサービス資料とか価格表とか、商品に興味があるような人たちのCVポイントを中心に数を増やしていくとなった場合、広告の配信も基本的には指名キーワード、ブランドキーワードとか一般検索の配信、検索広告だったり、あるいは一応リターゲティングというか一度訪れたような人たちに出すみたいな、いわゆる今すぐ客の人たちが取れるような配信設計とCVポイントの設計をやった方が立ち上がりが早いかなといった印象ではございますかね。
徳田
海外向けだと海外進出したばかりだったりとか、販路拡大を目指す、海外販路を始めたばかりの場合というのは、結構体制が薄いので。
リードばっかり溜まってもインサイドに渡せないし、質の低いリードばかり渡してしまうと、現地の代理店とか海外支社が「日本からのリードは良くないぞ」みたいな感じで対応をちゃんとしなくなっちゃったりするので。
これぐらいシンプルで良いのかなという印象ですね。
二平氏
そうですね。
結構最初に悪い印象を営業の方たちに与えてしまうと「なんか良くないね」みたいなのがあって。
せっかく良いリードが来ても、対応してくれないとかあるんですよね。
僕自身も元々営業をやっていたので、変なリードが来て、これ次対応したくないなみたいなのとかすごいわかるんですよ。
なのでやっぱり成功体験を踏んでほしいので、良いリードから最初に供給してあげた方がマーケティングとセールスが仲良くなるじゃないですけど。
そういうのがあるなというのは聞いていて思いましたね。
二平氏
そんな形で初期は固めにやってから、優先的に徐々に確度の高い深いところから、CVポイントを増やしていくみたいなところで、セミナーとかが結構確度高いところですかね。
あとは価格表、見積もり、トライアル、診断みたいなのもあったりするんですが、そういうのを優先的に増やしてちょっと媒体も増やしていく。
二平氏
「Meta広告でじゃあセミナー配信やってみましょう」みたいな形で徐々に広げていっていく。
もっとリード欲しいよみたいな、インサイドセールスも整って、ある程度形になってきたよねみたいな形であれば、もっとリードが欲しくなってくるといった状態なので、ホワイトペーパーなどでちょっと浅いリードを増やしていくみたいなフェーズになってきますね。
二平氏
そうなってくるとMetaだったり、商材によってはXとかLinkedInとかの媒体。
あとはデマンドジェネレーションみたいな媒体だったり、YouTubeとかも最近結構BtoBでもおもしろかったりするので、そういう媒体に取り組んでいくみたいな形にはなりますね。
徳田
お問い合わせなのかホワイトペーパーなのかという、CVポイントと媒体の掛け合わせでどう取っていくのか、リードを増やしていくのかみたいなところですね。
二平氏
そうですね。
基本的には確度が高い資料請求とかにはなってくるんですけども、やっぱり今すぐの人たちってどうしてもパイが限られてくるんですよね。
そうなってくるとちょっと手前の人たちもある程度取りつつ、セミナーだったりとかもそうですし、インサイドセールスでコミュニケーションしたりとかっていうところで、次に繋げていく〜みたいなのがどうしても拡大をしていくと必要になってくるタイミングが出てくるかなといった印象ですね。
徳田
結構一般名詞のキーワードから問い合わせが来ているものがたくさんあるんですが、ここからの問い合わせは受注につながりにくいところや、営業の方からのフィードバックをいただきながら既に取れていて外しちゃうとCPAが悪化しちゃうけど、外すかみたいなのを葛藤しながらやってますね。
二平氏
そこは結局うしろにつながらないとみたいなところもありますし、でもこのキーワード・クエリで入ってきていて、取れないはずないんだけどなみたいなのも結構あったりとかはするので。
そこらへんは議論を重ねがらみたいなのとかはあるかもしれないですけどね。
結果的に後ろの数値、受注が増えないといけないみたいなところはありますが、そこらへんは結構コミュニケーションしながらというのが必要になってくるかなと思いますね。
徳田
確かに。
検索意図の問題なのか、セールス側でのインサイトとか受注フローの問題なのかみたいなところで、どこに課題があるのかというのも見ていかないといけないですね。
結構このあたりしっかり媒体を選定したりとか、ホワイトペーパーとかもお客様にご用意いただいたりとかして、連携しながら徐々にやっていくんですね!
二平氏
そうですね。
結局広告だけでもある程度改善はできるんですけど、そのあとの流れとかセールスの部分とか「そもそもコンテンツを準備しましょうね」みたいなところも必要になってくるんですよね。
本当にBtoBってリードを取って終わりじゃないじゃないですか。
その後どうやって売りにつなげていくかというところを、クライアントと一緒に進めていくみたいな、という形では支援させていただいてますね。
そうしないと結局成果は出ないというか、広告はある程度すぐCPAとかは下がるので、そのあとのところが結構重要になってくるんでというところですね。
徳田
なるほど。
フェーズに応じた媒体選定だったり、そもそもそれが受注につながっているのかというところはどういうふうなCVポイントだったりというのをやるのかというのを調整しながら最適化していくと……
とても親身な会社じゃないですか!
二平氏
ありがとうございます。
僕もインハウス側にいて営業もやっていたので、こんなリード来てもうれしくないとかもすごい感じましたし。
結局事業目線では売りが立つか、事業が伸びていくかというところなので、そこにフォーカスして支援していかないと本質的じゃないなみたいな。
あると思うんですよね。
いくらいらないリードが来ても困るしなみたいなという。
それだったら今来る人たちだけが集まるリードにして、他の予算は別のランディングページを作るとか、インサイドセールスの会社さんを呼んできてくださいよだったり……とかっていうところにやるのがうちのやり方です。
弊社は売上目標とかがない会社なんですよ。
本当にユーザーというかクライアントが成功するためにある予算をアロケーションするみたいなのがあるので。
なのでこれは伸びないと思った媒体はスパッと切ってしまって、この予算は別で使ってくださいみたいなコミュニケーションとかはさせていただくので。
そこらへんは別の会社とちょっと違うかなみたいなというところではありますかね。
徳田
お客様のサクセスに貢献して、と……
いずれどんどんビジネスは展開していく、つながっていくのかなというふうに思いますね。
素敵な考え方だなと思いました。
そんなアナグラム二平さんの書籍ですね。
もっと細かく内容も書かれている部分もあったりすると思うので、気になる方はぜひチェックしてみてもらえたらなと思います。
次はCRMとかMAを活用して、どう成果を最大化するかみたいなところをお話を伺えればと思います!
貴重なお話いただきありがとうございました!
二平氏
ありがとうございました!
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