対談
Interview
この記事では、海外クラウドファンディングの秘訣についてご紹介します。
【Peak Japan 代表 中村岳人氏】
広告代理店入社後は様々なキャリアを得て、海外クラウドファンディング事業部を立ち上げ、事業譲渡を得て独立し活躍する。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界ボカンの徳田です!
本日もPeak Japanの中村さんに海外クラウドファンディングの秘訣について、お話を伺いたいと思います。
今日このボカンチャンネルをご覧いただいている皆さんのために、中村さんが5つTipsを用意してくれました。
ぜひ共有いただけたらなと思います!
Peak Japan 代表 中村岳人氏(以下:中村氏)
よろしくお願いします!
ボカンさんのために、今回5つの成功をするためのポイントを特別に用意をしてきましたので、ご紹介をさせていただきます。
中村氏
1つ目なんですけど、商品設計についてです。
まずポイントは日本っぽさが見た目で表現できているか。
2つ目が日本の技術が商品に付加価値がちゃんと施されているか、ついているか。
3つ目が海外の生活様式にマッチしている商品であるか。サイズとかですね。
4つ目は、商品価格の選択肢が3万円という選択肢が1つ設けられているか。
5つ目が配送しやすいか。薪ストーブとかはなかなか厳しいとかっていう話です。
6個目が市場が広く設計ができているか。
……この6個がまず商品についてのポイントになっています!
徳田
確かに前回の例で出していただいた畳ヨガマットとかって日本っぽさがあるし、日本の技術が使われているし、ヨガマットって海外の様式にマッチしているし。
だいたい金額も3万以内に収まっていたりとか、収まっていなかったりとかになっているし、畳だし配送しやすいし、市場としてヨガマットの市場だから広いというところで全部当てはまっていますよね。
中村氏
だいたいこの6個に当てはまってくると、高い確率で成功というかすごく支援が集まりやすいですね。
徳田
これに当てはまるような例ってあったりするんですか?
中村氏
具体的な例としてまず2つ用意をさせてもらっています。
1つ目が包丁ですね。
こちらの包丁はクローチの鉄の鋼の包丁なんですけれども、ヨーロッパだとステンレスとかそういう包丁が多い中で、こちらの包丁は鋼の日本ならではの鉄を熱鍛造でカンカン打って職人さんが作っている包丁です。
これも先ほどの6個のポイントに当てはまってくる1つの事例ですね。
中村氏
2つ目が大阪の柔道着のメーカーさんが作ってくれているアパレルのパーカーです。
パーカーとかTシャツですと見た目が同じになりがちなんですけど、これは日本の刺し子という縫製技術で、生地を使って編みあげているので、柔道着パーカーというタイトルがついているんです。
日本っぽさが表現され、見た目もタイトルも技術も施されています。
この2つが具体的な例として挙げられるかなと思います。
徳田
確かに。
わざわざ海外から購入する、日本から購入する理由というのは、日本らしさというところが重要ですね。
これは越境ECでも通ずるものあるなと思いました。
中村氏
そうですね。
やっぱり世界中、中国とか香港からもどんどんいろんなプロジェクトが公開されてくるので。
その中であえて日本のプロジェクトの商品を彼らが気にかけるかというのは見た目ですよね。
まず見た目でビジュアルで入り込んでもらえるかどうかというのが重要になってくるので、見た目はとても重要になってきますし、中に入ってきてからどういう付加価値があるかということも重要になってきます。
中村氏
こちらはよく商品についてお問い合わせいただく内容なんですけれども。
「男性だけの商品が良いか」とか
「女性だけのが良いかです」とか
「アウトドアの商品はどうなんだ」とか
いろんな問い合わせをいただきます。
やっぱり市場は広く設計した方が良くて、アパレルの商品であればユニセックスで、男性と女性向けに設計した方がもちろん市場が倍になりますし、アウトドアというところだけに絞ってしまうとどうしてもアウトドアだけになってしまいますし。
「そこで家庭でも使えるナイフですよ」
「家庭でも使える包丁ですよ」
と市場を広げると、その分、買い手の人たちが膨らみますので同じ商品でも訴求の仕方を広げる。
そういった提案もこちらの方からさせてもらっております。
中村氏
ポイント2つ目スタートダッシュなんですけれども。
クラウドファンディング、キックスターターはこのスタートダッシュがすべての鍵を握っていると言っても過言ではないです!
スタートダッシュ。
公開日初日でどれだけの売上がパーンと作れるかというのが鍵を握っていて、これを達成させるためには、Facebook広告やいろんな広告を使って最初にティザーページでリストを集めておいて、公開日初日でドーンと売上を達成させる流れがとても重要なんです。
ですが、なかなかそれを達成できる会社さんが国内でいないですね。
僕らはそういうあらかじめリストを社内で保有しておりますので、そういうリストの人たちに事前に公開の告知を行ってフォロワーを70人以上貯めてからスタートさせるということをやってます。
こちらの事例は積み上げ式のグラフなんですけれども、売上がどんどん積み上げていくと上に登っていくというな事例なんですが、右左の図がスタートダッシュがうまくいった事例です。
だいたい初日で100万円。
2日目だと200万円まで積み上がっていて、そこから売上がどんどん積み上がっていくと、最終的に500万まで積み上がっていったというような事例ですね。
中村氏
右が公開日初日で20万円しか支援が伸びなくて、そこからはなかなかスタートダッシュがうまくいかなくてなかなか伸びなかったという事例です。
徳田
そもそもまずクラウドファンディングの本キャンペーンの前にプレローンチのキャンペーンというのも用意しなきゃいけなかったんです。
そこで70人以上のリスト、これから支援しても良いよという人のリストを持っていなきゃいけないと。
そのためにFacebook広告やメールマーケティングとかをしなければならないのですが、Peak Japanさんだとメーリングリストが3万件あって。
そこでまずご案内できるので、スタートダッシュしやすいよという話と場合によってはメタ広告とかって回してリストを集めていって、本キャンペーンがローンチしたタイミングでしっかり達成できるような状態を作れるという話ですね。
中村氏
おっしゃる通りです。
そこが僕らの最大の得意技でありまして、強みであり、なかなか他社さんとの差別化の部分で得意なところですね。
中村氏
ポイント3つ目が、ページ制作についてですね。
ページ制作も弊社スタッフがネイティブが在中しておりますので、必ず料理関係キッチン用品だと料理監修はさせてもらっていて、こういうレシピが良いこういう野菜を使った方が良いというところはアウトプットしてページを僕らで作る。
もしくはクライアントの方で作るということをアドバイスさせてもらっております。
これがネイティブ監修と翻訳ですね。
あとポイント1のリターン構成。
これはだいたい日本でも同じだと思うんですけど、3パターン用意して、何十% 何十% 何十%という形で「早めに買った方が商品の個数が限られている限定個数を設けた、お得なパッケージのものが欲しいんだったら最初に買わないともったいないですよ」というような呼びかけを行ったり。
これはスタートダッシュを成功させるための1つの戦略と紐づくんですけど「最初に買った方がお得ですよ」といって最初に買わせる、そういったことを成功させるためのリターン設計も提案させてもらっています。
最後のポイント3は、基本的に海外は文字を読まない。
モーション、動画とかGIFアニメーションで情報キャッチアップするという傾向がかなり強いので、そこはなるべく動きのあるページを作って訴求させるというところがポイントの3つ目になってきます。
徳田
なるほど。
リターン構成のアドバイスは御社がいただけるとして、たとえば例であると土鍋なんですかね。
鍋みたいなものを売ろうとしたときに、鍋の写真を撮るんじゃなく、鍋を使ってどういう料理ができるかというのを彼らが普段食べている食事とかのイメージで作ったりするということですね。
あとは端的に商品の特徴だったり、価値が伝わるような1分とかの動画だったりとかGIFアニメでイメージが伝わるというところがすごい大事ですね。
テキストを読まない人も多いので、このあたりが準備が必要だということは理解しました。
中村氏
そうですね。
最後に製造工程とかそのあたりは日本の技術がというところも訴求させてもらっております。
中村氏
ポイント4つ目は公開中のプロモーションの手法についてです。
これはスタートダッシュを成功させたあとに、どれだけ支援をそこから伸ばしたいかによるんですけれども。
もしさらにさらにという高みを目指して、上にグロースさせていきたいというときの手法としては大きく3つあります。
1つ目が外部パートナー。
ニュースレターと広告運用という大きく2つのカテゴリーに分かれるんですけれども、ニュースレターというのは、世界中にニュースレター。
海外のクラウドファンディングをグロースさせるための会員を保有しているという事業者さんは、僕が知る限り20社ぐらいありまして。
そこの中で相性が良かったものをリストアップして「これとこれを使ってみましょう」というので、そこにお金を払って視聴してもらってあげるというやり方が1つ目のニュースレターですね。
2つ目の広告運用という会社は、AIを使ってターゲティングするみたいな海外のクラウドファンディングの運用会社が僕が知る限り3社ぐらいありますので。
そことパートナーを組んでやるというのが手法の1つ目になっています。
2つ目と3つ目は追加購入。
クロスプロモーションというのは、もうお金がかからない施策なんですけれども。
買える商品の選択肢を途中で増やして、単価をどんどん上げていくという施策や、あとはまったく関係のない他社さんのクラウドファンディングと相互にクラウドファンディングを紹介をし合って、お互いに支援者さんをトレードしましょうみたいなやり方ですね。
これも基本的にはお金がかからないんですけど、パフォーマンスとしては1が一番強いんですけれども。
2と3もお金がかからない手法としては、すごく有効的だとして、この3つがプロモーション公開中のやる施策の手法となっています。
徳田
なるほど。
3に関しては、海外クラウドファンディングをたくさん集めている御社ならではの手法ですね。
中村氏
3についてはそうですね。
なかなか呼びかけてもOKをもらえないんですけど、僕らであればだいたい月に8か10ぐらい回しているので、その中で相性が良そうなクライアントさんをマッチングさせて「やってみてはどうですか?」という形でやらさせてもらっています。
中村氏
こちらは先ほどの公開中の外部のニュースレターとかを使っている海外のクラウドファンディングの事例ですね。
ものすごい数を使っている高額プロジェクトだと事例がありますので、なかなかここまで予算を出すというのは難しいかもしれないんですけれども、こういう事例も海外だと今主流となっております。
中村氏
先ほどの解像度をもう少し上げたやり方なんですけど、公開期間中にニュースレターとか広告運用を使ってグワーっと支援を上げさせた事例が1つ目のこちらのグラフですね。
2つ目がアドオンの追加購入でなかなか支援が伸び悩んでいて、スタートダッシュはある程度成功できたんだけど、ちょっと伸び悩んでいるというときはオプションで商品を「もっと他に買う商品はありませんか?」ということをご提案して追加すると、ガっと伸びたりもあります。
最後にクロスプロモーションですね。
徳田
前半でお客さんから入金いただいてからものづくりをするから「リスクは少ないですよ」という話をいただいたと思うんですけど。
とはいえ、メタ広告だったりニュースレターだったりページ作りだったり。
しっかり初速の成功するためにはしっかりコストをある程度かけないとうまくいかないということがありますね。
中村氏
そこは最低限のスタートダッシュを切るためのご予算だったり、リードを集めるというところのコストは必要ですし、どのくらいを目指すかによるんですけれども。
だいたいお客さんからのヒアリングで、ここを目指したいのであれば初速の僕らのリストだけだと足りないので、追加でこのぐらいのプロモーション費用が必要になるかもしれませんということは設計段階でご提案させてもらってます。
中村氏
最後ですね。
注意事項ですね!
発送業務。一番お問合わせいただく流れが多いんですけど、商品を送るためには配送の代行する会社さんと業務提携をしているので、ご紹介させていただいて、そちらの倉庫に商品を送っていただければ、彼らが全部それを梱包して世界中に配送してくれる……というようなロジを敷いてありますので。
基本的にひとつひとつ世界中に配送しなきゃいけない点だったり、そういったところは全部簡易化してありますのでご安心いただければと思います。
徳田
なるほど!
オファーの設計からプロモーションだったりとか配送までを御社が伴走してやってくれるというところで、クラウドファンディングの初期費用と成果報酬の部分がかかるという感じなんですね。
中村氏
そうですね!
徳田
理解しました。
越境ECに挑戦したいと思っている企業で、まずなけなしの金で100万円でShopifyのサイトを作っても絶対にプロモーションはうまくいかないと思うので。
しっかりまずはクラウドファンディングの市場性だったり海外で受けるのかどうかを含めて確認していただいたうえで、Shopifyのサイトに投資することをやっていただくと良いんじゃないかと思いました。
ぜひ海外クラウドファンディングに興味ある方は、Peak Japanさんにお問合せいただけたらと思います、
貴重なお話いただきありがとうました!
中村氏
ありがとうございました!
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