対談
リユースビジネスとは?リユースビジネスの教科書 | 株式会社そばに佐藤氏 × 世界へボカン徳田
- 2025.04.10
- ECマーケティング

対談動画
リユースビジネスとは?リユースビジネスの教科書
リユースビジネス 対談動画
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この記事では、リユースビジネスについてご紹介します。
【株式会社NOVASTO代表取締役 佐藤秀平】
いい循環から、最適なコマース体験を。
小売業界向けのソリューションシステムを提供し、リテールテックカンパニーとして成功を納める。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
リユースビジネスのプロ 佐藤 秀平氏の自己紹介

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世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はNOVASTOの佐藤さんに、リユースビジネスについてお話を伺いたいと思います。
よろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いします!
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株式会社NOVASTO代表取締役 佐藤秀平氏(以下:佐藤氏)
はじめまして、株式会社NOVASTOの佐藤秀平と申します。
私は今年32の歳になるんですけど、学生企業でビジネスを始めました。
そのときに結構いろいろやって、実は最初はパチプロみたいな結構異色の経歴だったりするんですけど、そこからいろいろやっていく中でリユースというビジネスと、この通販 ECというビジネスに当たって。
その領域を極めたいなと思って、船井総研というコンサル会社に入りまして。
その中でリユースECチームというチームでコンサルティングをさせていただきましたと。そこから独立をして、このNOVASTOという会社を作ったんですけど、NOVASTOとしてはリユース業界のDXというところをトータルで支援する会社として関わらせていただいているんですけど。
ReCOREというメインのいわゆるSaaSの基幹システムというサービスをメインでやりながら、今400社さんほどに使っていただいていたりします。あとは講演だったり、リユース経済新聞のコラムを書いたりというところでいろんな講演活動をやったりとかしているんですけど。
今回「リユースビジネスの教科書」という本を出させていただいた……というところで徳田さんにお声がけいただいて、今日に至るという形でございます。実はそれ以外に株式会社そばりという会社でECコンサルをやっていたりするんですが、実はECの業者さんというか会社さんに関してはそっちの方が知っていただいているかもしれません。
今回このNOVASTOという会社で、リユースというテーマで徳田さんとお話できたらなと思っております!
「リユースビジネスの教科書」

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佐藤氏
ということで「リユースビジネスの教科書」という本を出させていただいたんですけど、リユースって言葉はたぶん聞いたことがあるかな?というふうに思いますし。
リユースショップとかリサイクルショップみたいなのってたぶんみんな知ってるかなと思うんですけど。
このあとお話していくと思うんですけど、リユースのビジネスもすごく変化が激しい中で、そしてまた注目度がすごく直近上がってきている中で「具体的にリユースビジネスってどんな感じなの?」とか「どういうふうに立ち上げていったら良いの?」とか「すでにやっている会社がどんなところで苦労したの?」みたいなところって意外と表に出てこないなと。たぶんECって徳田さんみたいに情報発信している方、私も含めてですけど結構たくさんいて、わりと始め方だったり つまずきポイントだったりノウハウ的なことってたぶん結構世の中にいろいろ出ているなと思うんですけど。
リユースってあんまりそこは出てないなと思っておりまして。
そこの教科書的な形になれば良いなというところで、出させていただきました。

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佐藤氏
改めて弊社の紹介としては、NOVASTOという会社なんですけれども。
リユース業界の総合商社を目指します。
もともとシステムの支援というところで始まった会社なんですけど、いまやコンサルティングだったり、あとは物流の代行 ささげの代行みたいなところだとか、あとは集客の支援をしたり。
人材だったりM&Aの仲介をしたり……みたいなところで事業領域をどんどん広げていっています。というところで、このリユース業界がすごく注目されていますよという話にもつがるんですけど。
2024年の未来の市場を作る100社というところ選んでいただきまして。
これは広告じゃなく選んでいただいて、急に連絡が来てびっくりしたんですけど、やっぱりリユース業界自体が注目されているんだなというところをすごく実感したひとつの出来事でした。
会社紹介は以上です。
小売業(リユースビジネス)の未来の姿

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徳田
今リユース業界、僕らも結構越境ECで中古ブランド品の会社さんを何社も支援させていただいていて。
かつ売れるものを売るビジネスなので、リユースの会社さんってすごい盛り上がっているなというのを肌で感じるんですけど。小売業の未来の姿として、リユースって今どのぐらい盛り上がっているのかだったり、あと「リユースビジネスの教科書」がこれからリユースビジネスを始める方向けの内容だと思うので、リユースビジネスって今どんな状態なのかというのを教えていただけますでしょうか?
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佐藤氏
本を書くときに迷ったのですが、リユース業界。
僕もベタベタにリユース業界にいる人なので、いわゆる既存のリユース事業者さん向けの内容を書いてもニッチになっちゃうんですよね。これまでもリユースをやっている会社はリユースの会社という、つまりゲオさんだったりブックオフさんだったり、そういうリユースの会社がリユースをやるものというのが当たり前だった中から、ここからいわゆる僕が今回本で書いているのはいろんな会社が経営戦略としてリユースを取り入れるようになるよねというテーマなので。
ちょっと広めの内容で書かせていただいています。今前に出しているんですけど、僕らのコーポレートサイトから引っ張ってきたんですけど、サーキュラーニューコマースという通り、いわゆる新しい小売の形がスタンダードになっていくんじゃないかと僕らは信じて。
そこに対しての支援をやってきているんですけど。

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佐藤氏
これまでの大量生産 大量消費 大量廃棄みたいなところがもちろんなくなって、製造 販売 消費というサイクルに、そこから買取だったり回収、そして選別として再販売するみたいな。
ここがどの企業でも向き合っていかなくちゃいけなくなっていくんじゃないか……と僕らはまず思っていますというところで。

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佐藤氏
メルカリさんがリコマース総研というのをやっているんですけど、そこで結構興味深いアンケートがいろいろ出ているんですけど、多くのブランドだったり小売企業さんがリユース何かしらやっていかなくちゃいけないなとか、やっていきたいなというところを思っているというのはよく調査でも出たりしますし。
国策的な話でいくと、僕らはリユース業協会という協会に所属しているんですけど、そこには大手のリユース企業さんがバッと集まっていわゆる会合的な感じで話をするんですけど、この半年ぐらい一気に国会議員の先生が多く来られるようになって、先日は岸田さんがビデオメッセージを出したりという感じで。
リユースというビジネスに関して、国としてもすごく注目をしているというのがこの政策の中でも出ていて、循環経済に関しての移行というところで、リユースビジネスが拡大の筆頭に記載しますという形で国策としてもリユースが注目されています。

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徳田
なるほど。
結構リユースというのは国策として考えられていたり、いろんな業界で大量生産 大量消費というのが良くないよねと、フランスとかだとそれを行うと罰金になっちゃったりとかするとかありますもんね。
リユースビジネス市場はスタンダードに

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佐藤氏
結構海外のレベルでいくと、やらなくちゃいけいという感じですね。
EVもその要素が若干あるかなと思うのですが、それが良いか悪いかはさておきとして、やっぱり環境保護とかSDGsみたいな流れの中で、今までのいわゆる小売のプロセスとか生産のプロセスというのを見直しなさいね……という国際的な主導のもとあるという要素と、僕はこの本で伝えたいのはそういう背景はあります。実際にリユースをやったらとても良いことがあるよねみたいなところは大前提で、やらなくちゃいけないからやるというふうになるとなかなかうまくいかないです。
実際に良い効果は出ないんじゃないかな、と。
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徳田
なるほど。
結構ブランド品とか中古車とか結構そういうのってリユース業界、ずっとあったかなというふうに思うんですけど、異業種の方たちも結構リユースの業界に参入されたりしてるんですか?
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佐藤氏
今特にやっぱ参入が多いのは昔からカメラだったり、いわゆるさっき徳田さんがおっしゃった高額品のところってわりと昔からリユースあるじゃないですか。
スタンダードだったりすると思うんですけど、最近やっぱり多いのはアパレルです。
圧倒的に多くて、スポーツ用品とかも一部含みますけど、それは何かというと一時流通自体がしんどくなってきているというのがまずありまして。加えてアパレル自体のいわゆる規制みたいな話ですよね。
生産の規制だったり廃棄の規制というのがより強化がされやすいんです。今までアパレルってとにかくいっぱい作って、セールでガンガン消化をして、最後廃棄するみたいなのがわりと如実な業界だったので。
わりと今ホットな業界としてアパレルが変わっていかなくちゃいけないんだというところで、リユースが注目されていたり、実際にやろうとしているブランドが増えていたりするというのはあるのかなと思いますね。
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徳田
いろんなもともとある市場ですね。
中古ブランド品とか中古車の市場も盛り上がっているし、新しく参入してくる業種というのもあるということで、市場規模って結構大きくなっているんですかね?
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佐藤氏
そうですね。
拡大はすごくしていて前にもずっと出ていますけど、世界のリユース市場としては、2027年までに35兆円になると中でもアパレルの伸びはすごくて。いわゆる新品小売業の中においても、リユースアパレルというのが10%ぐらいになるんじゃないかと言われるぐらい、規模がどんどん拡大していると。

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佐藤氏
日本の市場を見てもそうです。
私はずっと3年ぐらいコラムを書いているんですけど、そこで毎年統計が出ているんですけど、いよいよ3兆円を超えたんじゃないかと。
2030年には4兆円になるんじゃないかと。もちろん世界に比べたら大きくないかもしれないんですけど、日本のいろんな市場がある中でここまで伸び続けている業界って実はあんまりなくて、ここから人口も減っていく中で、リユース人口は右肩上がり。人口は減っていく……みたいな。
これはすごくおもしろい業界だなと思いますし、販売の形態も下に出てますけど、いわゆる店舗販売からネット販売。
さらにフリマみたいなCtoCも含めて、結構いろんなジャンルがあって、わりと複雑に絡み合っているんですけど市場としてはすごく盛り上がっているし、実際に数字としても伸びていっているというのが見てわかるかなと思いますね。
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徳田
なるほど!
まずそもそも全世界のリース市場が35兆なのに対して、日本だけで約3兆円近くあると全体の10%ぐらいは持っているということですね。
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佐藤氏
そうなんですよ!
日本って実は昔からあるリユース大国なんですよね。
もったいないみたいな話もありますけど、これを言い始めるとすごく複雑になっちゃうんですけど、日本ほどこんなにリサイクルショップ・リユースショップ 買取という業態がたくさんある国ってほぼないんですよね。これはすごく日本が進んでいる業界だなと思います。
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徳田
BtoCの店舗 ネット小売、CtoCのネット小売みたいな形で、さまざまな形態で販売しているので。
結構今メルカリとかでも、企業がメルカリに参入していたりとかすることもあったりするじゃないですか。
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佐藤氏
そうですね。
メルカリショップ すごい伸びてますよね……

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徳田
なので参入の仕方もさまざまなものがあって、リユース業界に参入するとしても、自分たちがどこのポジションを狙っていくのかだったり、商品とか業種とプラットフォームの掛け合わせとかもあったりするかなと思うんですけど。
このあたりもすごい考えていくとおもしろいなと思いましたし、僕らは中古車とか中古ブランド品とか中古の医療機器とか、そういうのを世界に売っていくというところで、日本で使われた中古ブランド品って状態が良いからとても喜ばれるんですよ。
ロレックスの時計とかもそうで、セリーヌのバッグもそうなんですけど、とても売れるので、日本からのやつは良いという形でお客さんが結構満足してくださっているので。
結構このリユースの市場というところは越境という意味でも外せないなという感じはします。
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佐藤氏
そうですよね。
ユーズドジャパンみたいな言葉もありますけど、やっぱり良いものというのをしっかりと大事に使う国民性と、このリユースビジネスはすごくマッチしているんだろうなと思いますね。
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徳田
ロレックスの時計とかエルメスのバッグとか、そういうビジネスを僕は越境で支援していて、こんなに売れていたら商品がなくなっちゃうんじゃないかなと思うんですけど。
皆さんまだ商品を隠し持っていたりとかするわけなんですか?(笑)
リユースビジネス市場における かくれ資産は年々拡大傾向

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佐藤氏
それもよく言われるんですけど、そもそもさっきの話で「じゃあ小売の市場なんぼほどあんねん」と。
そのうちリユースの市場って言うて3兆だと。
まだまだ多くはないという具体的な話はありながら、メルカリさんが出しているこの隠れ資産という指標があって。いわゆる家にどれぐらいみんな物を持ってるんだっけ?溜まってるんだっけ?みたいなのを可視化した指標があるんですけど、最初に出たときは2018年に37兆というのがありますと言われておりまして。
結構業界的には話題になったんですけど、それが24年、最近の発表で66兆まで増えていると。
「めっちゃ増えてるやん!」みたいな。こんだけリユース リユースと言ってて、リユースショップも増えて、いろんな選択肢がメルカリも含めて出ている中で、増えてるんかいというのはとても意外だし、伸びしろもすごくあるなと思います。
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徳田
確かに。
物が枯渇しているというよりは、まだまだ自分たちが業界も広がってきているし、売れるものが増えてきているということなんですね。

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佐藤氏
そうなんですよね。
これが小売企業だったりいろんな企業がリユースをやるべき理由ともつがるんですけど、物が溢れちゃっているんですよね。僕らは徳田さんも含めて、小売企業さんだったりメーカーさんに「どう売っていきましょうか」という話をするんですけど、「売る以前に実は片付けさせないといけないんじゃね?」みたいな話もちょっと別軸であるよねというところはあります。
というところで調査も出ているんですけど、アパレル品を手放したい理由で、クローゼットに余裕を持たせたいというところで。
ある有名な国内のドメスティックブランドさんからご相談をいただいたんですけど。
案外売ることにおける課題って、ロイヤルカスタマーさんのクローゼットを開けないことには、もういっぱい持っちゃっててどうしようもないみたいな相談が実は多いんだよね……という話をよくいただきます。そういった目線でもリユースというのはとても大きく機能するんじゃないかなと思っているところですかね。
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徳田
確かに!
奥さんにMA1を買おうとしたら、あなたMA1 3つあるよねって言われて。
こいつらを手放さない限りMA1買ってはダメだって怒られて、確かにってありましたし。あと最近だとリセールバリューを考えて買うようになりましたね。
リユースビジネス:セールではもう売れない

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佐藤氏
そうですよね。
リユース企業においてリセールというのは、すごく大事にしながら買取をするんですけど。
昔からそうなんですけど、これが一般の消費者さんにも考え方としてすごく広がってきたなと思っていて。セールをするということって、小売 アパレルにおいて特に当たり前だと思うんですけど、セールが多いブランドというのはリセールがつきづらくて、それを消費者がわかってきているからこそセールであんまり飛びつかなくなっているというのは消費傾向としてもすごく変わってきています。

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佐藤氏
実際にこういうふうにリセールバリューを考えて買いたいとか、長持ちする商品を買いたいという消費者の思考は、年々メルカリさんの調査を見ている限り上がっていってます。
ある意味リユースが浸透してきて、再販をするとか買ったものを買って捨てるんじゃなくて、また次の人に回すというのが消費者さんとしても当たり前の価値観になってきているのかなと。
こういう調査動向を見てもすごくわかる部分だと思いますね。
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徳田
なるほど。
ブランドとしてはリセールバリューとかを考えてブランドのイメージというのを10万円で買って5万円で売れるものなのか、10万円で買って1万円で売れるものなのかだと、ブランドから買おうかどうかという判断するポイントになったりするということですもんね。そういう意味でも作り続けちゃうと厳しいので、もっと限定感を持ってやっていくだったり、生産管理をしっかりしていかなきゃみたいな感じなんですね。
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佐藤氏
そうですね。
なのでしっかりプロパーで売れるようなブランドを作っていく。
ないしはどんどん価格を上げていっても大丈夫なようにする。これから生産コストは上がっていくし、原材料も上がっていくし、安売りするというビジネス自体がもう結構厳しいじゃないですか……ってなった中でそれを実現するためには、リユースという機能がメーカー側にあると。
それが加速するんじゃないかなと僕は思っているというところですかね。
リユースで新品は売れなくなる?

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佐藤氏
やっぱりもう1個言われるのとして多いのが、でもリユースやったら新品売れなくなるんじゃ?みたいなのは絶対言われるんです。
100%言われるし、リユースをやってる、すでにやっているブランドさんの中でも一部の方はまだそういうふうに思ってらっしゃって。若干懐疑的な感じで、社内でバチバチやってるみたいなのも結構あったりするんです。
でもこれはもちろんわかんないんですよ。
まだまだやってるブランドも多くないし、データも出てきていないんですけど、メルカリさんはこの調査の中でリユース品を買って好きになったブランドメーカーの新品を買うことがあるかどうかみたいな話でいくと、あるという人が多かったり。実際に自分もそうなんですよね。
やっぱり中古品から知って、その新品を買うようになるって全然あるなと思うので、リユース品を買うから新品を買わなくなるとか。
新品が売れなくなるというのは実は全然ないし、それは僕の書籍の中でも、メーカーさんのインタビューの中でも話されていることとして。
実際にはあるなと思いますね。
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徳田
なるほど。
メーカーがリユースをやるというのはどういうことなんですか?
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佐藤氏
メーカーがリユースをやるというのは、形はいろいろなんですけど。
いわゆるメーカー公式中古品を販売する、ないしはたとえば自分たちの商品を買ってくださったユーザーさんに対して、次の商品を買うときに下取りをする、買取をするみたいな形で、いわゆる売って終わりじゃなくて、またその商品を戻して自分たちで再販をするというのをメーカーリユース・リコマースみたいなことを言ったりするって感じですかね。今まではリユースショップに出すとか、リユースショップがリユースをするというところだったのが、一次流通の事業者さん メーカーさん 小売業さんがリユースを自分たちのビジネスに組み込むというところが、増えてきているという感じですかね。
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徳田
なるほど。
そうすると値崩れとかもしづらくなりますもんね。
おもしろい そういうことか。
ブランドリユースビジネスが加速

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佐藤氏
それがいわゆるビジネス的に、プラスの影響をするよという側面と、国策だったり世界の流れ的にやっていかなくちゃいけないよねって。
二軸あるというので注目度が上がっているという感じですかね。そんな背景もあって、世界的にはその流れが日本よりもスピードが早いので、年々年々リユース、ブランドが主導するリセールサービス、リユースサービスというのは増えていっていますよというところで、有名なところでいくとパタゴニアさんもそうですしファストファッションのザラさんもやっていたり。
他にはノースウエストと、本当にいろんなところがやっています。

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佐藤氏
その流れにちょっと遅れを取る形ですけど、日本でもどんどんリユースサービスが進んでいて、この間数えたら7 80ぐらいのブランドがやっていたりするんですけど 大なり小なりですね。
これは常設でやっているのか、イベントでやっているのかやり方の深度、深さは違うんですけど、この有名どころでいくと無地さんだったりユニクロさんだったり。
いわゆるファストファッションかどうかというのはもはや関係なく、リユースというのに何かしら組み込み始めている、スタートし始めているというのが今の時流という感じですかね。
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徳田
結構先進的な企業が、そういういうふうなリユースの取り組み、リコマースでしたっけ。というのを取り組まれているんですね。
確かにノースとかアークテリクスとかパタゴニアだったら、リユースでも機能性は保持されてるから良いなというのを思いました。
パタゴニアとかは特にサステイナブルな世界を作るみたいな、ミッションとマッチしてるので良いですよね。
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佐藤氏
そうですね。
そういう企業がやるのはもう当たり前じゃないですか。
いわゆるポリシー的な話でスタンダードだと思うんですけど、そうじゃない企業ももうどんどん始めていってます。でもその形はいろいろあって、始め方もいろいろあるというのがこのリユースビジネスの結構難しいところ。
ECだったらとりあえずShopifyを立ち上げて、なんとかしてとかっていうのがわりとスタンダードにあるじゃないですか。
始め方のいろはじゃないですけど、流派みたいなのがあるのがリユースの場合って本当に結構ブランドによってさまざまで。
そのブランドの目指している方向感とか、リユースをどれぐらいの力の入れ方でやるのかとか、既存のビジネスのビジネス構造によっても、やるべきやり方が違うというのがちょっと難しいところかなと思いますね。
リユース参入のメリット

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徳田
単純にリユースを始めたから良いよというわけじゃなく、どういう狙いでやるのか、そういうところも含めて考えなきゃいけないということですね。
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佐藤氏
おっしゃる通りです!
だからこそ僕も本の中でビジネス戦略、経営戦略のひとつですというふうに言っているのは経営戦略ということはやり方はひとつじゃないよねと。その会社の経営戦略 経営方針に合った、リユースの組み込み方があるよね!というふうに思っているという感じですかね。
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徳田
なるほど!
この黄色くなってる7とか5とか6とか12が大事なところなんですね。
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佐藤氏
そうです。
やっぱりリユースビジネス、結局メリデメの話になると思うんですけど、メリットの話でいくとたくさんあるんですよね。利益が上がりやすいとか不景気に強いとか、ブランドイメージが上がるとかいろいろあるんですけど、やっぱり僕はさっきの経営戦略、ないしは既存のビジネスにプラスになるという側面でいくと、この4つが大きいかなと思っていて。
まずはやっぱりリユースをやることによって売って終わりだった、ないしは修理が一番あったりするブランドがありますけど。
基本的に売って終わりだったブランドが多い中で、リユース 買取 下取りというタッチポイントを作ることができると。そのタッチポイントによって接触頻度が上がってくるので、LTVが上がったりとか、そもそもロイヤルカスタマー、実はこれリユース。
スノーピークさんと対談の中でも出ていたんですけど、よく使うのはやっぱり上の方のロイヤルカスタマーのユーザーさんがよりよく使うんですよね。
なので新しいものを買いたいけど、既存のものを手放すのが惜しい、ないしは既存の売り方ではちょっと満足できないというところで、メーカーがやってくれることでそれをメーカーに戻してまた新しいものが買える。そういうようなお客さんの動きを作りやすいというところで、ロイヤルカスタマーとの関係性が深まる。
スノーピークがやってうれしかったよみたいな言葉があるみたいなのが僕も意外だったなと思いました。

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佐藤氏
あともう1つは、さっきのリユースがやることで、新品が売れなくなるという話もあるんですけどそうではなくて。
リユース品を販売することで、今までたとえば新品だったらちょっと手が出なかった人たちが買えるようになるんですよね。
それって今まで買い方って、メルカリだったりとかリユースショップでしかなかったのが、メーカー公式のちょっと安いラインを買うことができるというところで、そのメーカーに入っていくないしはその周辺を買うようになるという。
購入のきっかけを作ることができるというのも大きなポイントかなと。
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徳田
確かにそうですね!
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佐藤氏
一番最後です。
Appleがまさに特徴的なんですけど、Appleの商品って年々上がっていってるじゃないですか。
いろいろ円安だとかなんとか言われますけど、そもそも端末の価格ってどんどん上がっていってるものですよね。それがなんで実現できるんだっけといったときに、やっぱりiPhoneって売ったら高いじゃないですか?
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徳田
高いです……
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佐藤氏
メーカーとしても下取りサービスをやっていたり、修理とかいろいろやっていますし、そもそも普通の一般的なリユースサービスを使っても高く売れる。
だからこそ新品が高くても、最悪中古で売ってもそれなりになるし良いかというので、お客さんは買い続けてくれる。このサイクルができていかないと、ただリユースを始めただけだともったいないなと思うので。
どういうふうにプロパーの価格、価値を上げながらリユース品というところをしっかりと組み込むことで、売上も上げるし新しいビジネスの柱を作れるかというところは、リユースをやる意味ですごく大きなポイントかなと思います。なので、どこまでを見据えてリユースをやっていくのかって、この全体のグランドラインをしっかりと作って、それをマイルストーン的にまずはここからこういうという形でやっていくというのが難しいし、それができると本当の意味でリユースをやる意味が出てくる。
僕は思っているという感じです。
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徳田
なるほど……
結構中古のブランド品とか中古車とか中古のカメラとか。
eBayとかそういうところで売られている商材の中古の話なのかなと思ったら、結構ブランドとかメーカーさんが参入すべき理由というのが明確になったので、とてもおもしろいなと思いました!
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佐藤氏
どうもありがとうございます。
そういうふうなイメージの転換を持ってほしいなというところで、本を出したというのがまさにというところですね。
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徳田
本日は、貴重なお話いただきありがとうございました!
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佐藤氏
ありがとうございました!
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